VOICE OF LAKES第9回。
今回は、テラ!
東日本大震災による活動停止という、まさかの事態から、リーグの救済制度によって3/26-27京都戦直前にレイクスに加入したテラ。
最初はプレイタイムも少なかったんですが、少しずつ本領を発揮してきています。
宮崎戦、高松戦では2Qを中心に出場し、シュートを積極的に打ち、リバウンドへ絡む姿が印象的でした。
今回は、レイクスの選手としてはおそらく初となるロングインタビューをお届けします。
―突然の加入でした。当初、遠征メンバーから外れたりもしましたね。
最初は、すごく難しいことを考えていた。
レイクスでは20点取って、その日のヒーローになれる選手がいくらでもいる。
コートにも、ベンチにもね。
その中で、自分も得点をとるスタイルを追求したら、チームのシステムが壊れ、リズムが狂う。
いかに邪魔にならずに、チームをプラスにもっていくか。
でも、それで、自分のプレイの長所、自分の「色」とでもいうか、それが出せていなかった。
今思えば、その時間はもったいなかったなと思う。
選手としてはいけないんだけど、控えめなところが出てしまったかなと思う。
―どのあたりからそれが変わりました?
福岡戦の前くらいかな。
ワラさんから「遠慮してるんじゃないぞ」と言われたりしたし、ほかのチームメイトやコーチからも遠慮していると見られていたのは感じていた。
出した答えは、積極的にアタックし、シュートを打ち、ディフェンスもやること。
今はペップ(ジョシュ・ペッパーズ)がいないから、3番(SF)のポジションがどうしても手薄になる。
マイキーがファウルトラブルや、ちょっとした怪我をしたら、たちどころにつらくなる。
今、自分はベンチでそれを想定して、準備している。
ペップが戻ってくるまでのつなぎでもいい。
自分は救済制度によってレイクスに救われたから、自分も少しでもレイクスの助けになりたい。
―そのレイクスですが、プレイオフに向け、課題はどこにありますか。
間違いなくディフェンスだ。
オフェンスは、見ていてエキサイティングだが、その分ディフェンスがソフトだ。
一発勝負のプレイオフでは、それは安定感が欠ける要因になる。
ボールマンに対するディフェンスはもちろんだけど、そこはこれから劇的には向上しない。
だけど、ヘルプディフェンス、声を出すとか、みんなが気を使えればもっとよくなる。
―プレイオフでは、各チームに元チームメイトがいますね。
サターフィールド、クライバー…。東に行けばジョージ・リーチや北向もいる。
有明に行くのがどこのチームであっても、埼玉ブースターは元埼玉のメンバーを応援してくれると思う。
活動休止したチームのブースターは、埼玉メンバーを応援したいというのもあるだろうけど、それ以前にバスケットボールを見ることに飢えていると思う。
その意味で、有明でファイナルをやることはよかった。
理想は、カンファレンスファイナルでレイクス、埼玉ブースター合わせて(半数以上となる)5000人に応援してもらって勝つ。
そして、ファイナルではカンファレンスファイナルで勝ったチームのブースターも合わせて、東の相手を圧倒して勝つ。
それが理想だ。
―寺下選手にとっても、今すでにかなり異例のシーズンですが、そうなれば特別なシーズンになりますね。
活動休止が決まった瞬間、ある程度「やっぱり」というのはあった。
今シーズンはもうできないかな、とね。
だけど、一応トレーニングは続けていた。
何があるかわからない、というのもあるけど、今シーズンで自分のバスケットボール人生が終わるわけじゃない。
まあ、まさかこんな形になるとは思ってなかったけどね。
でも、本当にレイクスには感謝している。
一人でトレーニングするよりも、こんなハイレベルなチームで練習しているほうがいいに決まっているからね。
この環境を与えられて、幸せだと思う。
同じチームにい続けたら惰性も出てくるものだけど、今、レイクスで自分を出すこと、アピールしてプレイタイムを勝ち取ること、1秒でも長くコートにいるためのすべを学んでいる。
一つ一つのプレイを、プライドを持ってやらなくては。
ひとつミスすれば交代という状況なので、慎重さ、大胆さの両方が必要だ。
―埼玉、レイクスの両ブースターにメッセージを。
まずブロンコスのブースターに対して。
シーズン最後まで戦えなかったのはすごく悔しいし、ブースターのみなさんは僕らと同じか、それ以上に悔しいと思う。
散らばっているプレイヤーがプレイすることで、少しでも報われることがあればいいなと思う。
それ以外、なにもできないからね。
レイクスのブースターに対して。
プレイオフは有明まで行けば6試合ある。
こういう新参者ではあるけれど、少しでも自分の色を出して、感謝の気持ちをもって精一杯プレイしたい。
いつもと変わらない、あの熱い応援をよろしくお願いします!と言いたいですね。
(編集後記)
宮崎戦前まではまだ緊張した面持ちもありますが、宮崎戦からプレイタイムを得て、加速度的にチームにフィットしてきているテラ。
悩んだ時期もあったようですが、今日のインタビューではすっかり吹っ切れていて、その時期を過去のものとして整理し、プレイオフへ向けた課題設定がきっちりできている様子が伝わってきました。
埼玉ブースターの思い、そしてもちろんレイクスブースターの思いとともに戦う彼の姿を、どうか県立でご覧ください!